「ニセコイ」中島健人×中条あやみ×池間夏海×島崎遥香 座談会

中条さんはしっかり切り替えができる素敵な女優さん（中島）

──にぎやかでとても楽しい作品ですが、共演されていかがでしたか。
お互いの印象を教えてください。

中島健人　中条さんはすごく繊細で目の奥行きを感じる方だなと思いましたね。
ナイーブな演技も得意としてるから自分もそれに引っ張られていい空間が作れたし、
カットがかかるとものすごく明るくなる。
しっかり切り替えができる素敵な女優さんだなと思いました。

中条あやみ　目の奥行き……初めて言われた！

島崎遥香　中条さんは周りの方々の空気を読んで、
              その方に合った対応をしていてさすがだなと思いました。

中島　夏海さんは初めて映画に出たとは思えない。

中条　現場を楽しんでるのが伝わってくるよね。

島崎　誰もが思い描いているような若手女優さん。
         若いのにとてもしっかりしていて頭もいいし、素晴らしい。

──皆さん、大絶賛ですね。

池間夏海　でもそういうふうに装ってただけで、毎回緊張してました（笑）。

中島　だんだん緊張がほぐれていって人間らしい部分が見えてきたのもよかった。
役に対しての愛情がものすごくあったから、
原作ファンの方もきっと喜んでくれるなと思いましたね。
島崎さんは役に対するこだわりが強いなと思いました。
ファンがたくさんいる役を島崎さんなりのこだわりで追求して、
努力して作り上げてるなと感心しました。

──女性陣の皆さん、撮影現場での中島さんはいかがでしたか？

中条　努力を絶対に人に見せない。ネガティブな言葉も言わないし、
男らしいというか。スタッフさんや女性に対しても紳士ですし、
会う前に思ってたイメージ通りだなと。
一番出演シーンもセリフも多かったんですけど疲れてる顔も見せない。

中島　あざーす！ 楽しかったからね！

池間　お芝居のことを一緒に考えてくれたりして、
スタッフさんへの気配りもすごいなって。台本の読み合わせのときに、
お茶を差し出してくださったのも紳士だなと思いました。本当に尊敬します。

中島　（うれしそうな顔で）ああもっとがんばろう！ 筋トレからがんばろう！

一同　（笑）

島崎　歌番組で顔見知りだったので不思議な感じでした。
（現場では）座長だなって思いましたね。あと、
中島さんは薔薇の花言葉や種類をたくさん知っていたり、
海辺でMVのようなものを撮られたり、常にセクシーなワールドの中にいる方でした。

細かいところにたくさん面白みがある（中条）

──印象的な撮影エピソードはありますか。

中島　クランクインの勉強会のシーンで、みんなで一斉に机からひじを落とす芝居があったんですけどタイミングが全然合わなかったので、
最初「大丈夫かな、この映画……」と思って（笑）。

中条　確かに（笑）。監督も不安そうだったし……。

中島　「ニセコイ」って1人ひとりのキャラクターが自由奔放に行き交うから、
監督もみんなをひとつにまとめるのが難しそうにしてた。
でも、監督の指揮と自分たちの意思で固まっていったので、
映画で観たら初日に見えなかったよね。

中条　息を合わせてがんばったよね！ 映画を観るまではあのシーンがうまくいってるかなってドキドキしてたけど、お客さんのような目線で楽しんで映画を観れたので、
編集ってすごいなと思いました。

池間　最初のシーンだし、緊張してるのが絶対顔に出てる！って思って観たくなかったんですけど、映画で観ると自分が思ってたよりもよくなっていて。
画面を通したらこう見えるんだなと思いました。

中島　クランクインしてから1、2時間で2カ月くらい一緒にいたような関係性や空気感が出てた気がする。でも難しかったね。

──テンションが高い場面の連続ですが、思わず笑ってしまったシーンはありますか。

島崎　私は「冬のソナタ」のパロディがツボで笑ってしまいました。

池間　DAIGOさん演じるクロードがプールから出てくるシーンで、
クールにキメてるのに水のポタポタ落ちてる音がけっこう聞こえてきたのが
面白かったです（笑）。

中島　舞台のシーンで、引きの絵でクレーンが引いていくと同時に見える集英組の人たちの丸坊主感がさりげなくじわるというか。本気でにらみ合ってるんですけど、
どこか面白いんですよ。

中条　細かいところにたくさん面白みがあるよね。

中島　本気なようで本気じゃないシーンがたくさんあるからこそ、
楽と千棘が思いを伝え合う本気のシーンが効いてるのかなと思いますね。
「ニセコイ」は2回観たらさらに面白い映画です。いろいろ詰め込んでるから、
1回目は何が起きたか理解ができないと思う！

中条　そうかも。1回目はけっこう「なんなんだ!?」ってなるもんね。
みんな最低2回は観ましょう（笑）。

──中島さんは原作の大ファンで、演じるにあたって研究を重ねたそうですが、ファンとして一番譲れなかった部分はどこですか。

左から中島健人演じる一条楽、
中条あやみ扮する桐崎千棘。

中島　できるだけ学ランを浅めに着るというのが、もっともこだわった点ですね。見た目重視なところがあるんです。あんまり深めに着ちゃうとただの学ランになっちゃう。原作の楽は浅めに着てて今風なんですけど、撮影で着た学ランはそういう作りじゃなかったんです。（肩を落としながら）がんばってひたすら落としてましたね。

中条　だからか。（肩を落とすしぐさをしながら）毎回こうやって（笑）。

──中島さん以外の皆さんが役に臨まれるときに、原作を意識されたのはどのような部分ですか？

島崎遥香演じる橘万里花。

島崎　全部にこだわりましたね。マンガからアニメにもなっている作品ですが、2次元を3次元化するのは誰にもできないと思うんですよね。顔も声も違うし、寄せることは難しい……。

──島崎さんは万里花が発するセリフの語尾について監督に提案もされたそうですね。

島崎　はい。自分がファンの人より「ニセコイ」を好きになるところから始めたので、一番頭で考えたり情報収集をした作品じゃないかと思います。

──どのように情報収集されたのでしょうか。

島崎　「ニセコイ」ファンから見たマリー（万里花の愛称）、そして、マリーのファンの方々の愛はどこに向いているのかというのを知りたくて、知人に聞いたり、ネットで調べました。

──なるほど。池間さんが演じる小咲も非常に人気が高いキャラクターですが。

池間夏海演じる小野寺小咲。

池間 「一条くん！」と（楽を）呼ぶシーンが多かったので呼び方にこだわりましたね。アニメの声に近付けることはできないので、実際にいたらこういう声だろうなというのを自分の中で探しました。

中島　いっぱい叫んでたもんね。俺も「小野寺ー！」って叫びまくってのど何回も潰したもん。のどが強い人はこの映画のキャストに向いてると思います（笑）。

障害がある恋に落ちたらいっぱいプロテイン飲む（中島）

──“障害がある恋”が描かれていますが、皆さんがそのような状況になったらどのような行動を取りますか。

中条　私は千棘と一緒で身を引くタイプです。勝手に自分は邪魔者だと思ってしまうかもしれない。相手に幸せになってほしいと思うし、そういうときだけネガティブになっちゃうかもしれないです。

中条あやみ演じる桐崎千棘。

池間　私は積極的にはいけないので千棘みたいにリボンを変えてみたりとか、周りにあるものを変えていってちょっとずつアピールをしたいなと思います。

中島　何もない恋愛より、リスクある恋愛のほうが燃えるかな。大変なことになっちゃったときに相手を守らなきゃいけないのでがんばりますね。いっぱいプロテイン飲むかな。

一同　（笑）

島崎　私は平凡な恋がしたい。何もなくていい。安心感だけがほしい……。

一同　（笑）

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