――主役の水樹沙羅役はAKB48内のオーディションで決まったそうですが。どんな審査が行われたんですか?
「基本的にはお芝居の審査です。映画の中でもオーディションの場面が出てきますけど、本当にあんな感じで審査員の方たちの前でそれぞれ演技をするっていう。でもオーディション自体は、最初は自由参加だったんですが、最終的に全員参加になって、人数が絞られていくにしたがい緊張感が高まっていくって感じでした」
――では、最終選考のときはまさに映画のように、お互いバチバチな雰囲気だった?
「いや、それは全然(笑)。私自身は特に主役をやりたいと思ってなくて、あまり意気込んでいなかったんです。今までオーディション自体、AKB48のオーディションしか受けたことがなかったので、実感がないというか。まさか自分が選ばれると思ってなかったです」
――ある意味で“ダメ元”だったと。では、選ばれたときはビックリしました?
「そうですね。嬉しさよりも、素直に驚きのほうが大きかったです。あとは“大丈夫かな?”っていう不安もありました」
――でも中田秀夫監督は、そんな島崎さん自身の緊張感や不安感が沙羅の心理と重なり、リアルな表情になっていたと言ってましたよね。
「確かに緊張はしていましたけど、監督にそう言っていただけるなら、それが良かったのかな(笑)。ただ、ホラーは非現実的な部分が多いので、いろいろ想像しながら演技するのは難しかったです。特にアップになって恐怖を浮かべる演技は一番大事なところなので、段階的にお芝居を分けてやっていくようにしまして。ここはちょっと驚く顔、ここは最大限に怖がる顔っていう感じで、監督に教えてもらいながら自分なりにトライしていったんです」
――そこも監督がツイートで褒めてましたね。特にラストのほうで沙羅ちゃんが逃げるときの恐怖の表情が素晴らしくて、すごく集中力があると。
「子供の頃に公文をずっとやっていたから集中力はあったと思います。本とかを読んでも飽きることがないし。撮影中も、演技しよう!とか頭を切り替えなくても自然と集中していた気がします」
――豪雨に打たれるシーンとかも、迫真の演技でドキドキしました。
「あのシーンは、そもそも私、水が苦手なので本当に怖かったんです。雨の量も本当にすごくて、セリフはなかったんですけど、とりあえず必死でした(笑)。あと劇中劇をやるシーンがあって、私は舞台を経験したことがないので、撮影に入る前からそのためのレッスンをしたんですけど、とにかく難しかったです。まず、声量が全然足りないので、喉をからしながらやっていたし、手に持っている剣がかなり重いので体力も使いました」
――そんなハードな撮影中、共演者の方とはどんな雰囲気でした?
「足立(梨花)さんは、テレビで観たまんま、明るくて楽しい方でした。あと町田(啓太)さんは本当に良い人。立っているだけで“良い人”オーラが出ていました(笑)。でも、撮影中は監督からあまり私語はしないように言われていたので、誰とも会話らしい会話ができなくて」
――沙羅ちゃんも、あまり人と上手に会話できるタイプじゃないですからね。
「沙羅は頑なというか、とにかくマジメですよね。私もヘンなところでマジメなので、そういうとこは似ているかもしれない。だから特に役作りとかはしなかったんですけど、監督から『もう少し明るい感じで』と言われたので、私の演技がちょっと暗かったのかもしれないです(笑)」
――“ヘンなところがマジメ”って具体的に言うと、どんなところ?
「これっていう場面は思いつかないんですが、とりあえず自分がやると決めたらやり通すというか。要は頑固?(笑)。自分が思い込んだら変えない。人に何を言われても、やらないと気が済まないところはあります」
――映画の中では女優さん同士の嫉妬や憎しみの描写もありましたけど、そういう感情を持つことは?
「嫉妬はあまりしないかな。自分より誰かがいい想いをしていても、“あ~、私はついてなかったんだな”って思うだけで、相手に対して何か思うことはない気がします。ただ、結構引きずるタイプだから、何かあると、過去の話を出すことはあるかも。特に睡眠を邪魔されるのがイヤなので、自分でこの時間に起きるって決めて目覚ましをかけているのに、その5分前に起こされたりすると結構、根に持ちます(笑)」
――それはわかります(笑)。今回、未知の心理描写や初のホラー映画主演をやりきったことで、芝居に対する気持ちの変化や成長はありました?
「成長はあまりできなかったと思いますけど(笑)、機会をいただけたらまたやりたいなと思いました。お芝居って今回のホラーもそうだけど、普段は経験できないようなことをできたり、衣装や髪型を変えたり、中身も外見もまったく別人になれるじゃないですか。それはやっぱり面白い。歌って踊るパフォーマンスをするAKB48とは、また違った楽しみがありますよね」
――ソロの仕事で心細いことはあります?
「お芝居の現場やファッション誌のお仕事をしているときは大丈夫だけど、バラエティに出るときは心細いです。話すのが苦手なので、“メンバーがいない、どうしよう?!”ってすごく不安(笑)」
――今後、やってみたい役は?
「ずっと言っているんですけど、探偵役をやってみたいんです。というか、探偵になりたかったんです。自分以外の誰かのことをいろいろ調べるのは興味深いなと」
――人のことを知りたい?
「知りたいというか、私、初対面でも相手の顔とか話し方で、だいたい“こんな人かな”ってわかる気がするんです」
――すごい! 見抜いちゃうんですか。
「見抜くなんてそんなたいしたことじゃないんですけど、何となく見ちゃうっていうか、わかっちゃうっていうか…。意識して見ようとしているわけじゃ無いんだけど、癖みたいな感じで気づくと見ています。AKB48のメンバーもだいたい性格はわかっちゃいますよ(笑)」
――それで得したことは?
「合わない人とは自然と関わらないようにできますよね。だから苦手な人は寄ってこなくなる。たまに勘が外れていい人そうだなと思ったのにちょっと違ったなってことはありますけど、ほぼ当たっているのでそこらへんは得しているのかもしれない」
――でも、見られる方はちょっと怖いかも。
「見てわかっても、それを口にしないから大丈夫です。みんなにはバレてないと思います(笑)」
――(笑)。では、そんな島崎さんから『劇場霊』の見どころを挙げるなら?
「ストーリーも映像も怖いのはもちろんですけど、今回はそれを新たに4DXでも観られること。恐怖のシーンをより体感しながら楽しんでもらえると思います。あと今回はほぼ初の本格的な演技に挑戦しているので、そこも早く観て欲しいって気持ちでいっぱいです」
――最後にベタな質問ですが、ホラー映画ってことで撮影中は心霊現象とかはありました?
「撮影中はなかったです。ただ、これはテレビとかでも言ったんですが、ホテルに泊まったとき上から足音がしまして。上の階の人が騒いでいるのかな?ってそのときはあまり気にしなかったけど、よく考えたら私の部屋は最上階だったぞと……」
――充分、怖いじゃないですかっ。
「でも、私は霊感がないのでそれだけ。あとは平和でした(笑)」
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