■島崎遥香さん
「ぱるる」という愛称で知られる島崎さんだが、それと同じくらい有名なフレーズが「塩対応」だ。「塩対応」とは、握手会などでそっけない態度をとられ、「しょっぱい気持ち」になってしまうという意味である。
だが、私は、島崎さんの「塩対応」は、立派な個性だと思っている。
AKB新聞2014年1月号には、島崎さんとNMB48の渡辺美優紀さんとの対談が掲載されていたが、対談の中で、渡辺さんが島崎さんに次のような言葉をかけていた。
相手に気を遣うことができる人の場合、話をするのが得意ではないと、言葉を探すのに時間がかかったり、言葉数が少なくなったりして、逆に不愛想に見えてしまうことがある。島崎さんも、このパターンなのではないだろうか。
ファンも馬鹿ではないので、単に愛想が悪いだけであれば、ランクインなど到底かなわないであろう。島崎さんの、不器用ながら誠実に頑張っている姿に、それだけ多くのファンが認めているということだ。
島崎さんの姿には、ビジネスの世界に置き換えても、教えられることがある。
たとえば、営業の仕事は、コミュニケーション力の高さや愛想の良さがなければ勤まらないと一般的には考えられている。
だが、いくら表面的に愛想が良くても、「立石に水」のようにしゃべる人よりも、言葉数は少なくても、多少ぎごちなくても、相手の立場にたって真摯に対応してくれる人のほうが信用できると感じるのではないだろうか。
家電量販店の販売員だって、売らんがために笑顔で適当なことを言う人よりも、愛想が良くなくとも専門知識が豊富で、適切なアドバイスをくれる方のほうがありがたい。
島崎さんのような性格は、やはりビジネスの世界でも、「あいつは不愛想だ」とか「あいつは空気を読めない」とか批判する人が一定数出るだろう。
だが、誠実に仕事に取組み、知識や経験を積み上げることを怠らなければ、その姿を認めてくれるお客様や上司が必ず現れる。
「あいつは朴訥としているけど、よく物事を考えていて、要所要所で良いアイデアを出してくれる」とか、「あの人は、言葉数は少ないけど、本当に私たちに必要な商品を考え抜いて提案してくれる」とか、そういう評価をしてくれる人が1人、2人と増えてくるものだ。
逆説的になるが、「塩対応」を極めれば、それは「神対応」の一つの姿なのではないだろうか。
人間の根本的な性格というものはそう簡単には変わらないので、無理に変えようとするとメンタルを病んでしまうこともある。だから、自分のことを「塩対応」だと言って非難する人がいたとしても、言わせておけばいい。
そんな批判に押しつぶされて自分を嫌いになるのではなく、良い意味で開き直って「お客様から認められる塩対応」を目指せば良いのではないだろうか。
そうすれば、島崎さんのように理解者がどんどんあらわれてきて、やがては大きな舞台にも立てるようになるのである。
http://blogos.com/article/115362/
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