これはパクりとかではなく、世界中のミュージシャンに「恋はあせらず」というジャンルとして認識されているアレンジです。リズムパターンよりも何よりもベースです。ベースの「ドドド、ドッドド、ドッド」これです!このベースラインの発明によって、生み出されたサウンドです。フィル・コリンズのカバーバージョンも大ヒットしました。元々モータウンサウンドは、白人でも聴きやすいブラックミュージックだと思うので、マッチングが良いです。
さて、AKB48にも既に一曲だけ、この「恋はあせらず」ベースを使っている曲があります。アンダーガールズ名義の「涙のシーソーゲーム」です。イントロの頭のベースだけ聴けば「涙のシーソーゲーム」も「ときめきアンティーク」も同じ曲です。これはまるで「10年桜」と「チームB推し」のイントロの頭と同じです。頭だけじゃどっちの曲だ分からないという点において。
この「恋はあせらず」アレンジは、アイドル曲において不死鳥のように蘇っては登場を繰り返します。広末涼子の「MajiでKoiする5秒前」これはイントロだけだと「恋はあせらず」と区別はつかないくらいです。アイドリング!!!の「レモンドロップ」もこれです。ただし、このアレンジは聴けば一発で分かるのと、なんとなくどの曲も似てしまうので、あまり多用はできないネタです。ベースとともに、大体のアレンジで、後ろ打ちをしているタンバリンが鳴ることが多いです。
そもそも、日本のアイドルファンは、そんなにブラックミュージックに興味がないでしょうし、そんなに聴いてもいないので、時々スパイスのように取り入れるようです。AKB48における「ブラックミュージック3部作」と言えば…まずは配信限定の9thシングル「Baby! Baby! Baby!」が1作目。次いでCMにも使われた「これからWonderland」。僕がAKB48で一番かっこいいと思うトラックです。業界人の受けは良く「今度のAKB48のカップリングは凄い!」と話題になったのですが、残念ながらAKB48ファンの受けは今ひとつだったようです。西武ドームでの披露もある意味伝説としてファンの間で語り継がれています。
まあ、BPM遅いし、ミックス打てないし、縦ノリは苦手だし、ディスコで踊らないしと言われると仕方ないのですが、今一度「これからWonderland」を聴いてみていただきたいです。天才・井上ヨシマサによるアイドルソングとブラックミュージックの融合を聴くことができます。
そして3作目が「涙のシーソーゲーム」こちらはMVも完全にモータウンを意識して、スプリームスのショーのような作品になっています。この3部作ともMVの衣装や世界観はディスコミュージックやモータウンなどを意識したものになっているのですが。
この「ときめきアンティーク」のMVは、ちょっと違うアプローチになっています。というか謎だらけのMVです。この曲は島崎遥香、指原莉乃、渡辺美優紀による3人ユニット曲です。その3人が何故かトイレットペーパーの衣装に身を包み歌い踊る。最後はペーパーがぐるぐる巻き取られて、芯の部分だけを身につけている状態になります。
歌われているのは、アンティークショップの店員の女の子に片想いする内容で、トイレットペーパーには関係ないです。歌詞の中に「金のおまる」というアンティークが出てくるので、この単語からインスパイアされた?いや、この解釈は苦しいですね。
つまり、この曲は「モータウンサウンド」に乗せて「片想い」が歌われる「アイドルソング」で、何故か衣装は「トイレットペーパー」という、最高にミスマッチな感覚を楽しむ曲ということになります。どういうコンセプトでこのMVになったのか興味深いですね。
石神 原
http://akb48-surprise.jp/pc/#m09
0 件のコメント:
コメントを投稿