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2014年6月1日日曜日

【東京新聞】AKB48総選挙 数式で予測   【ぱるる】


人気アイドルグループ「AKB48」の第6回選抜総選挙の結果が7日、東京・味の素スタジアムで発表される。姉妹グループのSKE、NMB、HKTを含む約300人が立候補する人気投票とあって、毎年、国政選挙に負けない関心を集める。ファンはお目当てのメンバーの順位に一喜一憂するが、この結果を、数式で理論的に予測できるとしたら!? 昨年の総選挙をほぼ的中させたという鳥取大学の石井晃教授(57)=物理学=に今年の総選挙を占ってもらった。 (藤浪繁雄)
 天下を取るのは「さしこ」か「まゆゆ」か-。石井教授は五月二十一日の中間発表を見て予測する。「固定票が多い指原莉乃(さしはらりの)さんが逃げ切るか。浮動票を多数獲得しそうな渡辺麻友(まゆ)さんが逆転するか。終盤までもつれそう」
 石井教授の数式では、メンバーに関するファンのブログなどの書き込み数(間接コミュニケーション)やその推移、広告宣伝効果、口コミ(直接コミュニケーション)を簡略化して織り込んだ数理モデルの方程式に当てはめ、ファンの「投票行動」をはじき出す。書き込み数が多く、減り方が緩やかな人は概して上位に入ってくるという。
 
中間発表では(1)指原さん(2)渡辺(麻)さん(3)松井珠理奈(じゅりな)さん(4)柏木由紀さん(5)島崎遥香さんが上位に入った。「ベスト5の顔触れは変わらないだろう」と石井教授。首位争いの二人は別格で「三~五位争いもデッドヒート」とみる。
 松井(珠)さんは浮動票をうまく取り込み、柏木さんはファンとの交流に強く、
島崎さんはブログ書き込み数の減り具合が最も緩やか-と、それぞれに特色が出ている。
六位の松井玲奈(れな)さん、七位の山本彩(さやか)さんの争いも激しい。
      ◇
 数式を発案したきっかけは、二〇〇四年の米大統領選。有権者のブログが大きく影響したことを知り「物理学の数式だが、これで人間の行動が読める」と考えた。インターネット関連会社の協力を得て、ブログなどのデータを提供してもらい、研究は軌道に乗った。
 当初は国政選挙を予測しようと考えたが、有権者の書き込み数が少なく「それなら」と毎年実施されるAKB総選挙を対象に分析を試みた。アイドルの人気投票とはいえ、数式の分析からは国政選挙ばりの現象が見て取れたという。
 例えば、昨年一位の指原さんは異動した福岡でローカル番組で活躍するなど、地元で評価された。「地元を固め、風が吹き浮動票も取り込んだ。〇九年衆院選の民主党のようだった」。柏木さんは直接コミュニケーションの値が高く「握手会に強く、どぶ板に徹している」と評価。卒業を控え今年は不参加だが、首位争い常連だった大島優子さんには「固定票の量が違う。交流した個々のファンとのエピソードも記憶していると聞く」。選挙に強い政治家の資質を備える。
 社会現象化し、メディアでも過熱気味のAKB総選挙。CDも依然大ヒットしているが、石井教授は「ブログの書き込み数が減った。昨年の半分くらいしかない日もある」と明かす。大島さんや一二年に卒業した前田敦子さんといった強力なメンバーが不在となったからでは、と推測する。
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 この数式では、映画「おくりびと」「アバター」などの観客動員数や「食べるラー油」など新商品のヒット予測もできたという。最近では、劇団四季のミュージカル「ライオンキング」のロングランの秘密も解明した。「数式は物理や化学を四年制で専攻した学生なら理解できる」といい、これを使いこなせる学生の就職先が増える一助になれば-と願っている。





東京新聞 TOKYO WEB
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2014060102000156.html

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